2023年7月21日(金)~23日(日)、北アルプス槍ヶ岳に登ってきた。 20代、30代に槍沢コースで1回ずつ。30代は小学生だった娘たちも一緒に上った家族山行。今年6月に逝った父も同行した思い出深い山行だった。 60歳を過ぎて登山を再開してから、漸く槍ヶ岳に登れたのは2019年67歳の時。槍沢から天狗原を経由して穂高連峰南岳の北の尾根に上がり、中岳・大喰岳を縦走して槍ヶ岳を目指した。天候に恵まれ天狗池に映る逆さ槍がはっきり見えて大満足だった。 これで槍ヶ岳に登ることはないだろうと思っていたら、今回山の会の例会で西鎌尾根から槍ヶ岳の企画あり。仲間についていけるだろうか、足腰不安大きく随分と迷ったが、初めての西鎌尾根に心惹かれ思い切ってチャレンジした。6人での山行。
1日目新穂高(1081m)より小池新道を経て双六小屋(2547m)へ。累積標高差1682m。2日目は双六小屋から西鎌尾根を上がって槍ヶ岳(3180m)へ。累積1086mの上り。3日目は一気に2000m超えの下り。リーダーがゆっくりのペースを保ちながら歩いてくださったおかげで、きつい上り下りをクリアすることができた。同行の仲間に感謝。
北アルプスの中心にどんと聳え立つ槍ヶ岳のかっこよさを改めて感じた、すばらしい山行になった。
YAMAP① Ⓢ新穂高~双六小屋~槍ヶ岳 YAMAP②下山 槍ヶ岳~Ⓖ新穂高
1日目 7月21日(金)
【歩行距離13.7Km 歩行約8時間30分+休憩2時間30分上り1682m 下り215m】
※アクセス
7月20日(木)21:35大阪発 近鉄夜行バス新穂高ロープウェー行き利用。 翌21日(金) 5:43新穂高温泉着 (9,500円)
【コースタイム】
6:20新穂高温泉(1081m)出発-7:35笠新道登山口(1370m)-7:50ワサビ平小屋(1402m・20分休憩)-8:25小池新道登山口-秩父沢出合(1725m)-シシウドヶ原(2085m)ー12:15鏡池(20分休憩)-12:52鏡平山荘(2281m・30分休憩)-14:35弓折乗越(2556m・20分休憩)-16:20双六小屋(2547m・泊)
5:50新穂高温泉バス停(1081m)に到着。6:20分出発。しばらく緩やかな林道を進む。
7:35 笠新道登山口(1370m)。笠ヶ岳にはものすごい急登を一気に上がるようだ。
7:50 わさび平小屋(1402m)。冷やしたきゅうりやトマト。バナナやオレンジ、スイカがおいしそう。
8:25 小池新道登山口(1474m)。ここまで緩やかな林道。2時間近くゆっくり歩いて400mほど上がってきた。ここから山道の上りに入る。
10:25 小池新道を2時間ほど登ったところ。南に焼岳。その向こうに乗鞍岳も見えていたが、この時は雲の中だ。
11:20 シシウドヶ原(2085m) ここまで3時間。岩や石がゴロゴロしているところが多いが、小池新道はよく整備された歩きやすい登山道だ。鏡池はもう少し先。ここから1時間ほど一層急な上り。長い上りが堪える。
キヌガサソウ。鏡池の手前、熊の踊り場というところで見つけた。初めてでうれしい。
12:30 鏡池に到着。20分休憩。穂高連峰は雲に覆われ見えず。鏡池に映る逆さ槍も見えず。残念。
鏡池からすぐの鏡平山荘(2281m)で昼休憩(30分)。出発から1100mくらい上がってきた!!!
14:35弓折乗越(2565m・20分休憩) 鏡平から急登を1時間、300mほど上ってきた。ここから南西の方向に縦走すれば弓折岳、抜戸岳を経て笠ヶ岳。笠新道が急登過ぎるようなので、ここを経由してなら笠ヶ岳に行けそうだと思っていたが、今回ここまでたどり着くのも中々きつくて、笠ヶ岳にはもう登れそうもないなと思う。 絶好の展望台だが、残念ながらガスガスで展望なし。 双六小屋に向かう。アップダウンはあるが歩きやすい。途中のお花畑に癒されながらゆっくり歩く。
途中で見た花。
チングルマの花と綿毛
ナナカマドの花
クチバシシオガマ
ヤマハハコ
15:00 花見平 お花畑を楽しみながらゆっくり歩く。
ダイモンジソウ
コケモモ
ウサギギク
16:20 双六小屋に到着(2547m)。手前にテント場と(映っていないが)双六池。
5:05 双六小屋より、西に沈む夕日。
夕日に照らされる双六小屋
北側すぐ後ろに鷲羽岳。
双六小屋(泊) 1泊2食付き14,000円。 夕食は天ぷらを中心にかなりのボリューム。写真撮るの忘れた。
2日目 7月22日(土)
【歩行距離7.1Km 歩行約7時間+休憩2時間10分 上り1086m 下り552m
5:20双六小屋(2547m)出発-6:00樅沢岳(2755m・30分休憩)-7:10硫黄乗越(2598m)- 7:53左俣岳(2674m・30分休憩)-10:30千丈沢乗越(2722m・20分休憩)-12:05槍ヶ岳山荘(3071m・休憩50分)ー13:25槍ヶ岳山頂(3180m)-14:15槍ヶ岳山荘(3071m・泊)
3:45起床 4:30朝食 5:20双六小屋出発
6:00 樅沢岳(2755m)に到着(30分休憩)。360°のすばらしい眺望だ。南西の方向に弓折岳~抜戸岳の稜線、その奥に笠ヶ岳の頭が分かりやすい。
左手、遠く南の方向に焼岳。その向こうに乗鞍岳がうっすら見える。
西に双六岳。ここまで上がったら山頂が見える。手前、槍に向かって伸びる猫の背中のような広い台地状の稜線。大好きな稜線だ。2年前この台地から正面にそびえる槍ヶ岳を見た。最高だった。
北の方向には三俣蓮華岳(左)から鷲羽岳(右の端)への稜線。中央ずっと遠くに薬師岳。
東に槍ヶ岳とギザギザの北鎌尾根。
槍ヶ岳~穂高連峰 槍ヶ岳・大喰岳・中岳・南岳~大キレットの向こうに北穂高岳。
穂高連峰。大キレット~北穂高岳・奥穂高岳~ジャンダルムの岩場を経て西穂高岳。 その向こうに焼岳と乗鞍岳もはっきり見える。手前に奥丸山も。
槍ケ岳から伸びる西鎌尾根がかっこいい。
7:10硫黄乗越(2598m)→7:50 左俣乗越(2600m 30分休憩)
この辺りもお花畑が広がる。
イワオオギ
ミネウスユキソウ
イワキキョウ
イブキジャコウソウ??
8:50 スタートしてから3時間半。槍ヶ岳が迫ってきた。アップダウンしながら、歩きやすい緩やかな尾根をゆっくり進む。
10:30千丈沢乗越(2722m)。ここから槍の肩まで1時間半くらいは岩々のきつい上り。最後の30分ほどは急登。こたえたー。
12:05 千丈沢乗越からきつい岩場を上って槍の肩に到着。槍ヶ岳山荘(3071m)でゆっくり昼休憩1時間)。ラーメンを食べる。疲れた体に沁みる美味しさ。槍カレーも美味しそう。
小屋の近くにイワベンケイ
槍ヶ岳を見上げる。山頂に人。小槍もよく見える。 13:20槍ヶ岳山頂(3179.7m)
午後からはガスが上がっていて、周囲の山々を見ることができなかった。正面に大天井岳なのか常念岳なのか・・・???頭が少し見えるも同定できず。 同行の仲間と談話室でのんびりする。5時夕食。7時就寝。
槍ヶ岳山荘1泊2食付 14,000円。朝食は弁当に。竹の皮で包んだちまき。とても美味しかった。写真を撮り忘れた。
3日目 7月23日(日)
【歩行距離14.5Km 歩行約7時間10分+休憩1時間40分 上り102m 下り2123m
5:00槍ヶ岳山荘(3071m)出発-5:15飛騨乗越(2755m・30分休憩)-6:40千丈沢分岐(2541m)-₋8:45槍平小屋(1989m・30分休憩) ー10:30滝谷避難小屋(1757m)-12:40奥穂高登山口(1757m)-13:20穂高平避難小屋(1344m・20分休憩)-林道ー13:25新穂高ロープウェーバス停(1103m)
帰路
・穂高ロープウェーバス停14:55発~高山16:31着 (濃飛バス2,200円) ・高山17:30発-名古屋20:05着 (JR東海バス3,100円) ・名古屋20:33発-新大阪21:42着 (新幹線5,940円)
3:45起床 軽く朝食を済ませる。
4:40 槍ケ岳山荘の前より日の出前。東の空が赤いが一面雲海に包まれ、ご来光を拝むことはできなかった。雲の中から頭を出しているのは、前日見ることができなかった大天井岳に伸びる東鎌尾根? 常念山脈? 常念岳はもう少し向こう遠くにドンと構えているはずだと思う???
5:00 雲の中の太陽。槍ヶ岳山頂にはたくさんの人たち。
5:15 飛騨乗越より見る槍ヶ岳と東鎌尾根。槍ヶ岳もここで見納めだ。 ここからは大・小石の多いザレた急な下りを一気に下る。写真を撮るゆとりもない。
6:40 千丈沢分岐(2541m)。ここまで500mあまり一気に下ってきた。千丈沢分岐より西に笠ヶ岳~抜戸岳~弓折乗越に続く稜線がよく見える。
双六岳の丸い背中もはっきり分かる。
この辺りもきれいなお花畑が広がる。
8:45 槍平小屋(1989m 30分休憩) 厳しい下りを1000mあまり下って、ここでゆっくり休憩した。冷たい水が蛇口から流れっぱなし。小屋からすぐのところに南岳登山口あり(南岳新道)。
11:07にこの写真を撮っている。写真も撮らずひたすら下っていた時に見つけた。とてもきれいなのであわてて撮った1枚。名前が分からなかったが、帰って調べてみたら、「タマガワホトトギス」というらしい。
※この「タマガワホトトギス」の名付け親は、今をときめく牧野富太郎博士で、黄色い花の色から山吹の名所として知られる井手の玉川(京都府綴喜郡)を連想して命名したとのこと。なんだかうれしかった。
ここから全然写真を撮れていない。13:25新穂高ロープウェーバス停(1103m)に到着するまで、長い下山道をひたすら歩いた。一気に2000m超えの下山はめったにない。
北アルプスの中心で天に向かって聳え立つ槍ケ岳は、やっぱりかっこいい。「それは悲しいまでにひとり天を指している」と深田久弥氏が称えた槍ヶ岳に、今年はその雄姿を西から眺めながら登ることができた。北アルプスの奥の山々を眺めることもできた。なんと幸せなことか。
いつまで北アルプスにチャレンジできるか?? 70歳を過ぎて一年一年が勝負だ。今年槍ヶ岳に登頂できたことは大きな励みになった。もう少しチャレンジを続けたいと思う。