立山三山縦走

2023年9月16日(土)~18(月)、立山三山(浄土山・雄山・別山)を縦走してきた。               今年2回目の立山。2回とも山の会の例会で、1回目は4月29日~5月1日。まだ雪がたくさん残る雷鳥平でスノートレッキングや雪山講習など楽しんだ。今回は立山三山を縦走した。6人での山行。

立山は富士山・白山とともに日本三霊山。古くから霊山として信仰され、立山まいりの人々が全国から集まり雄山に建立する立山権現に参拝した。アルペンルートの開通(1971年に全線開通)以降は室堂までのアクセスが便利になり、室堂平や雷鳥平辺りで観光やトレッキングを楽しむ人たちが多くなったようだ。室堂は登山者や観光の人々でにぎわっていた。                                         今回は室堂から浄土山立山(雄山、大汝山、富士ノ折立)、別山の三山をつなぐ稜線をゆっくり歩いてきた。好天に恵まれ素晴らしい立山連峰を満喫できた。

 

 

※アクセス                                  6:30大阪発・・・特急サンダーバード・・・9:13金沢着・・・北陸新幹線・・・9:46富山着                                                           (片道9,330円)               <立山黒部アルペンルート>                                                                                               10:11電鉄富山-11:21立山駅・・・立山ケーブル・・・11:47美女平・・・立山高原バス・・・       12:40室堂着         (アルペンルート電鉄富山~室堂往復9480円)                                                                                 

 

富山駅より電鉄富山立山駅に向かう。

立山駅。電車も乗用車の乗り入れもここまで。

立山駅(475m)からケーブルで美女平(977m)まで一気に上がる。

12:40  美女平から立山高原バスに乗って室堂に到着。観光客や登山者でにぎやかだ。

 

1日目 7月16日(土)
【歩行距離2.8Km   歩行約2時間40分+休憩30分    上り434m 下り176m】

【コースタイム】

13:40室堂(2450m)出発-14:55浄土山室堂山分岐(2659m)-15:48浄土山(2831m)-  16:50一ノ越山荘(2705m・泊) 

13:40 室堂出発。室堂平の歩道を進む。

チングルマの綿毛(葉はまだ青い) と紅葉したイワイチョウ。紅葉が少し始まっている。

13:55 今日の宿泊地、一ノ越山荘が見える。右手に浄土山。左が立山雄山への稜線。

14:54 浄土山分岐(2659m・右に進めば室堂山)。左に進み浄土山へ。しばらく岩場の登り。

16:00 浄土山山頂(2831m)。眺望ない。

ハイマツ帯から出てきた雷鳥。曇り空のおかげか、安心して動く数羽の雷鳥に出会えてうれしかった。

             シラタマノキの白い実

16:50  浄土山をゆっくり下って、鞍部に立つ一ノ越山荘(2705m)に到着。

 

 

2日目 7月17日(日)
【歩行距離7.6Km   歩行約8時間20分+休憩2時間30分    上り873m 下り812m】

【コースタイム】

4:40一ノ越山荘(2705m)出発-5:20浄土山手前(富山大学の研究施設があるところで日の出を見る)-6:00一ノ越山荘(2705m・朝食)7:20出発-7:50三ノ越(2886m)-8:25雄山(3003m1時間休憩)- 9:30大汝山(3015m1時間休憩)-11:10富士ノ折立(2999m)-12:35真砂岳(2861m)-13:45別山南峰(2874m)-14:00別山北峰(2880m)-15:48別山南峰(2874m)-15:48劔御前小屋(2705m・泊) 

 

3:45 起床 4:40 日の出を見に、前日上った浄土山目指して出発。

4:50  夜明け前。東の空。大きく光っているのは明けの明星金星か。

5:15 少しずつ明るくなっていく。

5:30 雄山(左はしが山頂)の稜線の向こうから日の出。いい天気だ。

 

6:00の朝食に間に合うよう急いで一の越山荘に戻る。朝食・出発の準備など。

 

7:00 一ノ越山荘前。出発前の人たち。写真を撮る人も多い。

眼下に、朝日に照らされる室堂平。みくりが池とミドリガ池。立山ホテル(左)、雷鳥沢ヒュッテ(右)。正面に大日連山(大日岳・中大日岳・手前大きな奥大日岳)。雷鳥沢ヒュッテは4月に泊まった山小屋で、その向こう、奥大日岳に続く尾根をレッキングした。

7:20 雄山に向かって出発。すぐに岩場の急登が始まる。

7:50 三ノ越(2886m)まで上がってきた。展望の良い広い場所で、休憩・写真スポット。振り返った正面に浄土山竜王岳(左)。今朝歩いた道がよく分かる。

南方面。右、五色ヶ原(小さく五色ヶ原ヒュッテが見える)と、その向こうは大きな薬師岳。中央黒部五郎岳。左に尖っているのは笠ヶ岳だ。笠ヶ岳の向こうは乗鞍岳か。

南東方向遠く。中央に富士山。右手に南アルプス中央アルプスの峰々。左には八ヶ岳。うっすらだけど、はっきり分かった。すばらしい眺望だ。

西方向。浄土山の遠く向こうに見えたのは白山だ。

室堂平~大日連山一望。遠くに富山平野富山湾が広がる。

8:12 山頂に立つ雄山神社がすぐそこだ。岩の多い道をもう少し上る。

8:25 雄山に到着。登山者や参拝の人たちでとても賑やかだ。山頂に立つ雄山神社峰本社でご祈祷を受ける。

  山頂峰本社の傍らにある山頂標識      峰本社でもらった赤札


一等三角点と方位盤が雄山神社社務所の横にある。三角点は2991.8m。

方位盤に立つ。バックに五色ヶ原~薬師岳黒部五郎岳笠ヶ岳笠ヶ岳の奥は乗鞍岳と御岳が見えている(多分)。

 

雄山で1時間余りゆっくりして大汝山に向かう。

9:55 20分ほどで大汝山(3015m)。狭い山頂へ順番待ち。立山最高標高にしてはさびしい山頂標識。

大汝山にある大汝休憩所(休憩小屋で喫茶・売店があるようだ。中に入っていない)の横の広いところからの展望が最高!!! 後立山連峰が一望だ。ここでコーヒーを飲んでじっくり後立山の眺望を楽しむ。

後立山連峰。左から旭岳・三角に尖った白馬岳・白馬のすぐ横杓子岳・白いのが白馬鑓ヶ岳。白馬鑓ヶ岳から横に唐松岳、手前大きな五竜岳。昨年登った白馬三山を眺望して感動。

左、五竜岳から、右が鹿島槍ヶ岳鹿島槍ヶ岳の双耳峰の北峰が大きく聳え、南峰は奥に小さく見える。鹿島槍は一昨年登った山だ。すばらしい。

11:00 大汝山から歩きやすいハイマツの間を抜け、15分ほどで富士ノ折立へ。登山道から少しだけ岩山を上がる。ここも混んでいて順番待ちだ。

11:10 富士ノ折立山頂(2999m)

富士ノ折立から見下ろす室堂平。美しい!!

富士ノ折立から岩場を急降下する。稜線を歩く人たちがありの行列のように小さい。右手、まだ少し雪渓が残る内蔵助カール(内蔵助氷河)。               内蔵助カールの稜線を真砂岳を越え、ずっと進んだところに内蔵助山荘の赤い屋根。内蔵助山荘には進まず、真砂岳(中央)を通り、途中真砂岳乗越に下ってから別山に進む。別山南峰と右端が別山北峰。そしてその向こうに堂々と聳える岩山が剱岳だ!!!!!

 ※日本で初めて氷河が認定されたのは2012年。現在7つの氷河が認定されているが、そのうち5つが立山連峰にあるとのこと。剱岳の三ノ窓氷河・小窓氷河・池ノ谷氷河と、立山山東面の御前沢氷河、立山真砂岳の内蔵助氷河の5つ。ほかの2つは鹿島槍ヶ岳のカクネ里氷河と唐松岳唐松岳氷河ということだ。内蔵助氷河は歩くことができるらしい。

内蔵助カールを右に見ながら緩やかな稜線を真砂岳に向かって歩く。

内蔵助カールの向こうに後ろ立山連峰が一望だ。

12:35 真砂岳(2861m)に到着。ここで昼休憩。広い山頂だ。

前方に別山南峰(中央)と北峰(右端)に続く稜線がよく見える。

真砂乗越から別山への急な登り。  別山南峰(2874m)に到着。祠があるが、標識は???

14:00 南峰から広い緩やかな尾根を10分ほど歩いて 別山北峰(2880m)。こんなに粗末な標識。

目の前にドーンと聳える劔岳

別山北峰より南峰に戻る。

14:52 南峰より劔御前小屋に向かう。左手(南)に今日歩いてきた雄山から大汝山~富士ノ折立、真砂岳から南峰に続く稜線がよく分かる。歩きやすいきれいな道だ。

右手(北)に劔沢を覗く。剱岳山頂に向かう登山道がよく分かる。登山口に立つ赤い屋根が剣山荘。中央に剣沢小屋とテント場。テントがたくさん小さく見える。どちらも剱岳に登る人たちの拠点だ。

15:15 劔御前小屋(2750m)に到着。

                  晩ご飯

廊下の壁に貼ってあった「あの山なに山?」。勉強になる。

 

3日目 7月18日(月)
【歩行距離7.6Km   歩行約6時間+休憩2時間30分    上り428m 下り786m】

【コースタイム】

4:00劔御前小屋(2750m)出発-5:00別山北峰(2880m)-6:30劔御前小屋(朝食)                      7:30下山開始-9:30新室堂乗越(m)-10:30雷鳥沢テント場-10:50らいちょう温泉雷鳥荘(入浴)-12:50室堂バスターミナル

 

3:15起床 

4:00 後立山連峰から上がる日の出を見るために、昨日登ってきた別山(北峰)に向かう。

真っ暗闇の中で、剱岳に登る人たちのヘッドランプがたくさん並んで光っていた。怖くないのか。すごいなぁと感心して眺めた。

 

5:09 日の出前。後ろ立山連峰の稜線がきれいだ。

5:30 日の出の直前、あっという間にガスに覆われ、雲の中からご来光。残念だが、これもきれいだ。

6:30 劔御前小屋に戻って朝食。

7:30 劔御前小屋より、室堂に向けて下山開始。

劔御前小屋から新室堂乗越に向かう尾根より、雷鳥平を見下ろす。4月に泊まった雷鳥沢ヒュッテ(右の白い建物)や下ったところのテント場(中央)がよく見える。

雷鳥平。上部が室堂平。正面に浄土山と奥に龍王岳。

立山。雄山から大汝山、富士ノ折立まで。手前が真砂岳

浄土山龍王岳から一ノ越乗越(一ノ越小屋)~雄山。歩いてきた山々を見渡せて、とてもうれしかった。

9:30  新室堂乗越でコーヒータイム。

     コケモモの実  ※コケモモは雷鳥の大好物。芽・葉・花・実など食べるそうだ。

松ぼっくりを食べるので有名なのはホシガラス。取った松ぼっくりを岩の上に運んで食べるようだ。雷鳥も食べるようなので、この食べあとはホシガラスか雷鳥か? ここではホシガラスも雷鳥も見ることができなかった。

新室堂乗越から下って、雷鳥沢キャンプ場を通過。

雷鳥沢ヒュッテを右手に見ながら室堂平に向かう。

10:50 らいちょう温泉。雷鳥荘に到着。温泉に入って疲れを癒しすっきり。

12:50 室堂バスターミナルに到着。13:20発美女平行きのバスに乗って帰路につく。

 

<帰路>

13:20発立山高原バス立山ケーブル→電鉄富山を乗り継いで富山駅着。富山駅より北陸新幹線、特急サンダーバードを利用し帰阪。

 

立山山行も、天候に恵まれたくさんの山なみを眺望することができた。ゆっくり歩き、ゆっくり休憩して遠くの山や花を眺めるのは何とも言えない醍醐味で、いくら登りがきつくても元気になれる。立山三山から眺めた後立山連峰や目の前に迫る剱岳のかっこ良いこと!!!                                            今夏は7月の槍ヶ岳に始まり、8月甲斐駒ヶ岳仙丈ケ岳、9月北岳間ノ岳につづいて立山三山と、思いがけない好機に恵まれ充実した山行を楽しむことができた。天候にも恵まれた。ここ3~4年の間に登った山や今年登った山をあちらこちらから眺め、山を同定することも少しずつできるようになった。                   どれも、仲間について歩くことができるか不安がつきまとう山行だったけれど、思い切ってチャレンジして本当に良かった。ゆっくり、楽しく山を楽しむことができた。リーダーや仲間たちに感謝の気持ちでいっぱいだ。