2021年9月20(日)-22(水)、念願の鹿島槍ヶ岳(日本百名山・2890m)に登ってきました。
百名山を選定した深田久弥氏が「鹿島槍は私の大好きな山である。高い所に立って北アルプス連嶺が見えてくると、まず私の眼の探すのは、双耳峰を持ったこの山である。北槍と南槍の両峰がキッとせり上がっていて、その二つをつなぐ、やや傾いだ吊尾根、その品のいい美しさは見飽きることがない」(深田久弥著「日本百名山」より)と書かれているのを読んでから、憧れてきた山です。
昨年来のコロナ禍で遠出は自粛。高い山に登る機会もなく、2年ぶりの北アルプスでした。体力不安強く躊躇しながらも、一つでも年を取らないうちにチャレンジしたいとの思いが勝り、山仲間にリードしてもらって登ることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。
今回はブログのための記録を取りながら歩くゆとりはなく、写真もたいして撮らず。中途半端な記録しか残せていません。ブログを書くのは躊躇していたものの、今頃になってやっぱり鹿島槍の素晴らしい思い出を残しておきたくなりました。ざっくりした記録です。
【歩行時間 18:30】【歩行距離 21.6km】【上り2567m 下り2541m 】
9月19日(日) 夜行バスで出発。
阪急高速バス、桃山台BS 22:00発-松本BT6:20着(6900円)。
JR大糸線松本駅6:28発-信濃大町7:29着(680円)。信濃大町駅よりタクシー利用し、扇沢登山口に直行。8:10着。(6800円/台→2270円/人)
※信濃大町駅からバス利用の場合、信濃大町駅8:00発-扇沢BT8:40着(1390円)。BTより登山口まで徒歩20分ほどかかるため、9:00着になる。タクシー利用で50分ほどの時短。1日目冷池山荘まで6~7時間予定を考えると、値打ちがあったと思う。
1日目 9月20日(月)
8;20扇沢登山口(1350m)出発ー(モミジ坂)-ケルン(1758m)-柏原新道ー12:10種池山荘(2451m・昼休憩30分)-(爺ヶ岳2669m)ー冷乗越(2436m)-15:00冷池山荘(2380m・泊)
扇沢登山口よりすぐに急登(モミジ坂)が始まる。小股でペースを崩さぬようゆっくり上る。ケルンを過ぎて柏原新道。ここからは比較的緩やかな歩きやすい上り。展望のない樹林帯だが、途中に駅見岬、水平岬、富士岬など展望の良いスポットがある。稜線の上に種池山荘が見える。中腹は紅葉がみごと。崩落と落石を用心しながらガラバを過ぎ、種池山荘に。ここで昼休憩。
柏原新道から見る稜線。中腹はみごとに紅葉
種池山荘より爺ヶ岳に向かって稜線を上る。すばらしい景観が広がる。西に立山連峰~剣岳。北に鹿島槍の双耳峰がはっきり見えてくる。爺ヶ岳を巻いて冷乗越まで下り、さらにしばらく下り、最後に少し上ってようやく冷池山荘に到着(泊)。
冷池山荘(一泊2食12,000円。休日料金)
1日目 歩行距離7.8km 上り1435m 下り425m 6時間40分(うち1時間休憩)
概ねコースタイムで歩けたことがとてもうれしい。
2日目 9月21日(火)
冷池山荘朝食5:45~(2巡目)
6:25冷池山荘出発-布引山(2683m)-8:30鹿島槍南峰(2889m)ー9:35鹿島槍北峰(2842m)ー南峰ー布引山ー12:20冷池山荘(昼休憩)ー14:10爺ヶ岳中峰ー14:40爺ヶ岳南峰ー15:30種池山荘(泊)
冷池山荘に荷物をデポして鹿島槍を目指す。山荘を出てすぐのテント場で展望広がる。北に鹿島槍の双耳峰。西に立山連峰~剣岳の絶景。晴天。雲ほとんどなく、素晴らしい眺めだ。概ね緩やかな上り。布引山に向けて最後は急登。
布引山から正面に見える鹿島槍南峰に向かって急登。小股でゆっくり呼吸を整えて上.る。
布引山山頂より鹿島槍南峰・北峰
布引山山頂より南東方面に富士山。
右に南アルプス甲斐駒・仙丈ケ岳。北岳が聳える。左には八ヶ岳連峰のギザギザも。
8:30に南峰に到着。広い山頂から壮大な眺望を楽しむ多くの登山者の姿があった。
西側すぐ前に雄大な剣岳。北に白馬岳、やや東北には火打山・妙高山。南には槍ヶ岳の穂先。遠くに南アルプス、富士山の頭も見えるほどの晴天に恵まれた。360°のパノラマに感動。晴天に感謝である。
南峰より岩場。吊尾根を慎重に下る。ヘルメット着用。北峰に上り返す。
北峰から北正面、キレットを挟んで大きな五竜岳が構えている。富士山は中腹当たりまで、より大きく見えた。南アルプスの山並みも確認できた。
鹿島槍北峰 はるか遠くに富士山が頭を出している
北峰より南峰への登路を振り返る。右奥に剣。
大迫力の剣岳。剣沢雪渓と三ノ窓雪渓が眩しい
北にキレットを挟んで五竜岳の稜線。その後ろ雲の中には白馬岳。
北東方面には雨飾山、火打山、妙高山、高妻山など。百名山のオンパレード。
北峰から南峰に戻り、布引山を巻いて冷池山荘へ。ここで美味しいラーメンをいただいて昼休憩。
南峰に戻る。素晴らしい天気
南峰より南。遠くに穂高連峰。槍の穂先がそびえる。その奥に乗鞍岳の頭。
冷池山荘
デポしていた荷物を背負って種池山荘を目指す。帰りは爺ヶ岳中峰・南峰に登頂。種池山荘に3:30到着(泊)
爺ヶ岳(中峰)山頂
爺ヶ岳中峰より南峰に向かう
種池山荘に到着
2日目 歩行距離9.6km 上り1058m 下り1048m 9時間(うち2時間15分休憩)
種池山荘(一泊2食10,800円)
天候に恵まれ、どこにいても素晴らしい眺望。あちらこちらでゆっくり時間をとって雄大な山なみを眺めた。楽しい山行である。
3日目 9月22日(水) 下山
種池山荘朝食5:00~
早朝種池山荘より朝日に照らされる針ノ木岳方面を望む
5:40種池山荘発ー8:13扇沢登山口ゴール
3日目 歩行距離4.3km 上り49m 下り1166m 2時間33分(うち18分休憩)
下山後扇沢バス停まで歩き、路線バス扇沢発8:55に乗車。信濃大町駅9:30着。
信濃大町よりJRで松本へ。松本より名古屋経由で帰阪。
念願の鹿島槍山行は最高の天気に恵まれ、素晴らしい山なみを眺望する最高の山行となった。扇沢から上がる柏原新道はよく整備されていて歩きやすい。登山口から1100mの上り・4時間ほどで稜線に出て大パノラマを満喫できるのはすごい魅力だ。晴れ渡る空と連なる四方の山々に元気をもらって登頂することができた。
2年ぶりの高山チャレンジで、今回はゆっくりマイペースを保ってバテないで歩くことを心掛けた。まずまずのコースタイムを見て、よく歩けたものだと改めて喜びをかみしめている。ゆっくりに付き合ってもらった仲間に感謝。忘れられない山行になった。