大雪山 お花満開の黒岳~旭岳を縦走

2024年7月9日(火)~12日(金)、北海道大雪山に行ってきた。

10日(水) 層雲峡から車で50分ほどの所にある愛山渓温泉から沼の平に上がり、広い湿原を散策した。愛山渓温泉大雪山の大原始林の中にあり、古くから大雪山各方面への登山口の一つとして親しまれてきたようだ。                      11日(木) 大雪山系(日本百名山)の黒岳(1984.0m)から北海道最高峰旭岳(2290.9m)を縦走した。「北海道の屋根」ともいわれる大雪山の広い台地を花の季節に歩きたいとずっと思っていた。山仲間4人での山行。願いが叶い仲間に感謝。

 

7月10日(水) 愛山渓温泉から沼の平散策

アクセス

層雲峡温泉(前日泊)より車で50分。愛山渓温泉の駐車場に駐車(無料)

歩行距離6.7Km   歩行約4時間10分+休憩1時間20分     上り461m 下り461m】

コースタイム】

9:40愛山渓温泉登山口(1013m)-10:15三十三曲分岐(1107m)-11:40沼の平分岐(1420m)-12:10沼の平(昼食・散策)‥‥下山(ピストン)-15:10登山口

愛山渓温泉に到着。写真はロッジ「愛山渓倶楽部」。100%源泉かけ流しの温泉が魅力の、素泊まり自炊のロッジのようだ。

愛山渓温泉登山口案内板。この登山口が大雪山系のいろいろな山に繋がっているのがよく分かる。

9:40 「六の沼」方面に登山口を出発。

原始林の中を進む。しばらく歩きやすい道が続く。

10:15 三十三曲分岐。ここからジグザグのきつい上り。

水が流れて歩きにくい急な上りがしばらく続く。思っていたより、けっこうきつい。

11:40 きつい上りが終わって沼の平分岐。景色が広がって大雪山の山々も見えてきた。

ここから沼の平をめざして木道を歩く。

12:10 沼の平。たくさんの沼が点在する広い湿原。目の前に見えるのは「半月沼」

この辺り標高1400mくらいだが、雪渓も残っていた。

 

 
沼の平で見た花

                 ワタスゲ

                マルバシモツケ             

                アカモノ
      ウサギギク               チングルマ

                ウコンウツギ

                  エゾコザクラ

       ???                 ゴゼンタチバナ

       ウラジロナナカマド             ニッコウキスゲ 

               カラマツソウ   

 「六ノ池」まですすんで昼休憩。写真右寄りに尖っているのが多分北鎮岳。(東方向)

「六ノ沼」からやや南方向に、ドーンと旭岳が聳えている。うれしい。
 
沼の平で随分のんびりしてから、来た道を愛山渓温泉登山口に下山。                      層雲峡に戻る(泊)

 

7月11日(木)黒岳(1984.0m)から旭岳(2290.9m)縦走

歩行距離12Km   歩行約7時間+休憩1時間     上り1134m 下り1079m】

コースタイム】

7:00黒岳リフト七合目登山口(1520m)-8:25黒岳(1984.0m)-9:15黒岳石室(1891m)-10:00御鉢平展望台-10:35北鎮岳分岐(2142m)-10:50中岳(2113m)-中岳分岐(2046m)-11:30間宮岳(2185m)-11:50間宮岳分岐(2185m)-底(2074m)-12:55旭岳(2290.9m・休憩)-14:35旭岳石室/姿見ノ池(1660m)-14:55旭岳ロープウェイ姿見駅

 

層雲峡ホステルに前日泊。                                                                                                     ※男女別8名共用ドミトリーの相部屋で一泊4000円(別に個室もある)。 食事は手造り黒岳カレー(サラダ付き1700円)を注文するか、持ち込みでもOK、厨房を使って自炊もOK。カレーを注文。ボリュームあり美味しかった。お風呂はシャワーのみOK。2段ベットにカーテンや読書灯がついていて個室感あり。中々居心地がよかった。         共用の談話室(食事室)でカレーをいただき、デザートに持ち込みのメロン。これは富良野のメロン街道の店でお土産用にメロンを買ったら、おまけにいただいた完熟メロン。最高に美味しかった。

6:00 層雲峡黒岳ロープウェイ始発(6:00)に乗車。

6:15 ロープウェイ黒岳駅(五合目)より黒岳山頂 が良く見える。

6:45 ロープウェイからリフト(6:30始発)に乗り継いで 七合目登山口(1520m)。7:00出発。

 登り始めてからすぐに、大小岩の多い急な上りが始まる。ダケカンバの多い林の中をジグザグに登っていく。

8:00 九合目。まねき岩が見えてきた。この辺りからお花畑が続く。足をとめ、写真を撮りながらゆっくり進む。

黒岳九合目~山頂あたりで見た花

      ウコンウツギ               カラマツソウ

               ウラジロナナカマド   

             チシマノキンバイソウ

    多分オオサカモチという花???  シシウドと似ているが葉っぱが違う。

                                             キバナノコマノツメ。スミレの仲間。かわいい!!!               ※これもタカネスミレとかジンヨウキスミレとか、本当によく似た花が多くてわかりにくい。

                                                     ハクサンチドリ

エゾフウロと、まだ蕾のナガバキタアザミか??? 7月下旬ころから咲く花のようだ。

                エゾイワツメグサ

8:30  まねき岩がすぐ横に。山頂まであとひと息!!!

8:40 黒岳山頂(1984.0m)。山頂から見えるはずの大雪山の山なみがガスでよく見えなくて本当に残念。

シマリス登場!!!  警戒心がなさそうで、自由に動き回るのに驚いた。かわいい。あちらこちらでけっこう見えるらしい。

9:10 旭岳に向かって黒岳を下る。黒岳石室の赤い屋根が見えてきた。

9:15 正面に北鎮岳(2244m)が見えてきた。白鳥と千鳥の形をした雪渓が特徴だ。

チングルマが群生する縦走路を進む。黒岳石室のあたりから素晴らしいお花畑が続く。
大雪山アイヌ語で「カムイミンタラ」。カムイは神、ミンタラは庭。「神々の遊ぶ庭」という意味があるそうだ。黒岳から旭岳に拡がる広い台地は本当に素晴らしい。
 
縦走路はお花畑満開

                エゾツツジ

                コマクサ

                イワブクロ

イワブクロと黄色い方は(多分)メアカンキンバイ。キンポウゲやキンバイは種類が多くてわかりにくいが、いろいろな画像を探して漸くメアカンキンバイにたどり着いた。決め手は葉っぱだ。

※メアカンキンバイ(雌阿寒金梅)⇒雌阿寒岳で発見されたもので、命名したのは牧野富太郎さんとのこと。・・・ということなので、もしかしたら2022年7月に登った雌阿寒岳の写真にこれが残っていないかと思って見てみたら、あった!!!下の写真。雌阿寒岳のメアカンキンバイだ。2022年に分からなかった花の名前が今年分かった。うれしい!!!

      2022年7月雌阿寒岳のメアカンキンバイ

              エゾツガザクラ

               チングルマ

          チングルマとエゾツガザクラの群落 

              アオノツガザクラ

                ゴゼンタチバナ

              ヨツバシオガマ

          ハイマツの花。これが実って松ぼっくりに。

              キバナシャクナゲは花が終わりかけ。

                イワヒゲ

               エゾコザクラ

 

 

10:00    縦走路を進み、御鉢展望台に立って御鉢平を眺める。広いカルデラを囲む向かい側の山もよく見えた。北海岳、松田岳、荒井岳など地図で名前と方向を確認するが、はっきり同定することができないのは残念だ。全体になだらかな山容だ。いつかあちら側も歩いてみたいと思う。

 

                 御鉢平                    ※直径2kmのカルデラ。底部を川が流れている。今も有毒ガスが噴出しているため内部は立ち入り禁止とのこと。地図には御鉢平の真ん中に有毒温泉とある。温泉とともに強力な有毒ガスが噴出している。御鉢平を囲む山々を周回して縦走するのも楽しそうだ。

北鎮岳分岐に向かう上り。けっこう急な雪渓を高度100mほど上る。アイゼン着用。

10:35 北鎮岳分岐(2142m)。これから進む中岳~間宮岳に続く稜線を眺める。なだらかな稜線だ。

10:50中岳(2113m)11:10中岳分岐(2046m)11:30 間宮岳(2185m)間宮岳分岐(2185m) ここでは間宮岳に上がる高度150mほどが急登。けっこうきつかった。だだっ広い間宮岳山頂台地を少しだけ進むと間宮岳分岐。                    ここから御鉢平周回の縦走路をはずれ、旭岳に向かう。

12:00 間宮岳分岐(2185m)より旭岳に向かって一旦下る。近くに裏旭野営指定地のあるあたりが底部で2074m。100mほど下る。正面にドーンと旭岳。これから歩く雪渓。けっこうな斜度だ。

12:20 ここから雪渓を直登(多分冬道?)する。山頂まで高度200mあまり。

雪渓が終わってからもザレ場の直登で、アイゼンでどうにか滑り止めをする。きつい!!!

12:55 旭岳山頂(2290.9m)。一等三角点有り。ガスで何も見えなくなった。残念。                    ※点名:瓊多窟(ぬたっく)アイヌ語のヌタク・カ・ウシ・ぺ「川の湾曲部の地・の上に・いつもいる・もの」という意味らしい。なるほど。
 
13:20  少し休憩してから旭岳ロープウェイ姿見駅に向けて下山開始。岩や石がゴロゴロしている急な尾根道を下る。たくさんの登山者とすれ違う。登るのはきつそうだなと思いながら下った。

14:05 眼下に姿見の池と噴気口から上がる白煙が見えてきた。遠くにロープウェイ駅も見える。

14:35 姿見の池(旭岳五合目・1666m)まで下ってきた。散策する観光客も多い。      ※「姿見」の名前の由来は、水面に旭岳が映ることかららしい。この日は旭岳山麓駅から旭川駅行のバスの最終(15:40発)が迫っていてこの辺りをゆっくり楽しむことができなかった。今度はゆっくりこの辺りを散策するのもいいと思う。姿見の池に映る逆旭岳を見られる機会があればいいと思う。

たくさんの噴気口から上がる白煙を近くに見ながらロープウェイ駅に急ぐ。

14:55  無事ロープウェイ姿見駅に到着。                        
ロープウェイで旭岳山麓駅に下り、旭川駅行き最終バスに乗車(1800円)  旭川駅前(泊)
 
愛山渓沼の平散策も大雪山縦走も、どちらも天候に恵まれ最高の山行きになった。「北海道の屋根」と称される雄大大雪山を縦走し、素晴らしい景色とたくさんのお花に出会うことができた。この2~3年、あちらこちらの夏山で花を見る機会が多く少しずつ名前が分かるようになってきた。まだまだ知らない花が多いけれど、帰ってから調べるのも楽しみである。                                  これから先厳しい山に登る機会は減っても、ロープウェイを利用して上がれる山には行けそうだ。旭岳姿見の池や黒岳石室のあたり。ゆっくり花と景色を楽しみたいと思う。